竈門炭十郎は、奥多摩の雲取山で炭焼きを営みながら、妻の葵枝(きえ)とともに炭治郎、禰豆子、竹雄、花子、茂、六太という6人の子どもたちを育て上げた一家の大黒柱です。常に穏やかで物静か、家族に対して決して声を荒らげることなく深い慈愛を注ぎ続けた理想的な父親として描かれています。
アニメ版で炭十郎の声を担当したのは、数々の名作で深みのある重厚な演技を披露してきた声優の三木眞一郎氏です。静謐(せいひつ)でありながら芯に通る強さと、儚くも温かい父性を宿した三木氏の名演は、登場回数こそ限られているものの、視聴者に圧倒的な説得力と存在感を与えました。
炭十郎は炭治郎がまだ少年だった頃から病に伏せがちで、顔色は青白く、痩せこけた体躯で常に床についていました。しかし、そんな一見すると死期が近い病人のような姿の裏に、鬼狩りの剣士たちですら生涯をかけて到達できるかどうかの極致とも言える「武の境地」を秘めていたのです。