仮に今、九州の森にクマが存在するとして、それは本当に生き残った在来種なのだろうか。いくつかの仮説が浮上している。まず囁かれるのが、隣の四国山地にわずかに生き残るツキノワグマが、豊後水道を泳いで渡ってきたという説だ。しかし、海流の速さを考えれば、これは現実的ではない。
もう一つは、過去に密輸や違法飼育されていた個体が山に放たれ、野生化したというシナリオだ。実際、過去には国内の他地域でペットのクマが脱走する騒ぎが起きている。もし今回の目撃個体が「放たれたクマ」であれば、それは九州の生態系にとって新たな脅威となり得る。DNAの型を特定しない限り、この謎の答えは見えてこない。