甲殻類アレルギーと診断された際、過剰な恐怖心から魚介類全般をすべて食卓から排除してしまうケースが見受けられます。しかし、不要な除去は生活の質(QOL)や栄養バランスを損なう原因になります。基本の食事区分と、万が一誤食してしまった際の危機管理を整理しておくことが肝要です。
【食べていいもの・注意が必要なものの目安】
- 原則として食べられる食材:魚類全般(サケ、マグロ、タイ、アジなど)、肉類、卵、乳製品、大豆製品、野菜、海藻類。魚類は甲殻類・軟体動物とタンパク質構造が異なるため、基本的に制限の対象にはなりません。
- 慎重な確認が必要な食材:タコ、イカ、貝類全般。専門医の確認が取れるまでは単独での積極的な摂取は避けるのが賢明です。
- 見落としやすい加工食品:練り製品(かまぼこ、ちくわ)、海鮮出汁の効いたスープ、オイスターソース、えびせんべいと同じラインで製造されたスナック菓子、揚げ油を共有している飲食店の天ぷらやフライ。
【誤食時の初期対応フロー】
誤ってイカやエビを口にして異変を感じた場合、まずは口に残っているものを吐き出させ、水で口腔内をすすぎます。激しい運動や入浴は血流を促して症状を悪化させるため、安静を保つことが絶対原則です。
アドレナリン自己注射薬(エピペン)を処方されている患者で、呼吸困難や意識のもうろう、広範囲の激しいじんましんなどアナフィラキシーの徴候が見られた場合は、躊躇なく太ももの前外側にエピペンを筋肉注射し、ただちに119番通報を行ってください。救急隊の到着を待つ間は、仰向けに寝かせて足を30cmほど高く保つ姿勢を取らせ、急に上体を起こさせないよう注意を払う必要があります。