逮捕された神いっき被告の裁判は、冒頭から異例の展開をたどった。被告側は弁護人を通じて、一連の睡眠薬強盗事件の実行犯は自らの意思ではなく、精神内部に存在する別の「男の人格」による暴走であると主張。精神医学上の解離性同一性障害(DID)を理由に、責任能力の不在または著しい減退を訴えたのだ。
検察側はこれに対し、計画的な薬物入手手順や防犯カメラを意識した逃走経路などを挙げ、「責任逃れのための擬病・演技に過ぎない」と猛反発した。法廷では精神鑑定医の証言が真っ向から対立し、被告の複雑な生い立ちや幼少期のトラウマ、そして内に秘めた歪んだ承認欲求が次々と露わになっていった。