「妊娠すれば、誰もが激しい吐き気や劇的な倦怠感に見舞われる」――長年刷り込まれてきたそんなイメージは、実際の医療データによって見直されつつある。近年の臨床データや妊婦を対象とした大規模な意識調査によると、妊娠4週から7週頃の超初期から初期にかけて、体調の大きな変化をほぼ自覚しない妊婦は全体の2割から3割近く存在することが判明した。
現場で診療にあたる産婦人科専門医は、「つわりや倦怠感といった典型的な妊娠初期症状が出ないからといって、ただちに胎児の発育異常や流産を意味するわけではありません」と説明する。母体のホルモンに対する感受性や自律神経の反応には大きな個人差があり、つわりを一切経験しないまま無事に出産を迎えるケースも特段珍しい話ではない。