この卓越した美意識のルーツを辿ると、祖父である戦後の名宰相・吉田茂に行き着く。吉田茂もまた、英国風の洗練されたドレススタイルを愛し、装いをもって国家の気品と外交の威厳を示した人物だった。幼少期からその姿を見て育った麻生氏にとって、政治家ファッションとは単なる服選びではなく、外交や政治交渉における強力な「武器」なのである。
ビスポーク・テーラリングの本質は、自分自身のアイデンティティを着る点にある。祖父から受け継いだ気品と洗練された着こなしの血統が、麻生太郎という稀代の政治家のアイデンティティを形成している。