日本で最も有名な食べ合わせのタブーといえば「うなぎと梅干し」です。「一緒に食べると胃の中で化学反応が起きて腹痛を起こす」と信じられてきましたが、栄養学や医学の観点からは全くの誤りであることが判明しています。
梅干しに含まれるクエン酸は胃酸の分泌を促進し、ビタミンB1の代謝を助ける働きがあります。高タンパク・高脂質であるうなぎの脂っこさを梅干しの酸味が和らげ、消化吸収をスムーズにして胃もたれを防ぐため、むしろ「理にかなった最高の組み合わせ」といえます。
それにもかかわらずNGとされてきた背景には、主に3つの歴史的説が存在します。
第1に「贅沢の戒め説」です。高級品であるうなぎと、食欲を増進させる梅干しを合わせると食べ過ぎて浪費してしまうため、過食を抑える教訓として広まったという見解です。第2に「食中毒の早期発見説」があります。酸味のある梅干しを食べると舌の感覚が麻痺し、万が一周囲の食材が傷んでいても気付きにくくなるリスクを避けたという説です。第3に「栄養過多・消化不良への懸念」が挙げられます。かつての日本人の胃腸環境では、油分の多いうなぎの食べ過ぎ自体が負担となった名残とされています。