安全保障面における地政学的リアリズムも、世論の動向に直接的な影響を与えています。キャンプ・デービッド合意以降、強固に進展する日米韓連携に対する中国の反応は極めて神経質であり、「小多国間主義による対中包囲網」として激しい牽制を繰り返してきました。
こうした国際環境の中で、韓国メディアの中国報道には明確な論調の違いが見られます。保守系紙(朝鮮日報、中央日報、東亜日報など)は、自由民主主義陣営との連帯を最優先とし、中国の威圧的な姿勢に対しては原則に基づいた断固たる対応を取るべきだと論陣を張ります。一方、進歩・革新系紙(ハンギョレ、京郷新聞など)は、対中関係の過度な冷却化が朝鮮半島の平和や経済実利に及ぼすリスクを懸念し、実利的な対中対話ルートの確保を訴える傾向があります。
しかし、メディアの論調に左右の差異はあれど、中国の覇権主義的な動きや台湾海峡情勢の緊迫化が韓国の安全保障に直結するという危機感においては、社会全体で共通の認識が形成されつつあります。