旧車マーケット全体が過熱するなかでも、ここ数年で特に目覚ましい値上がりを見せているのが5代目にあたる日産C210型スカイラインです。かつてハコスカ(C10型)やケンメリ(C110型)の影に隠れがちだったジャパンですが、現在の店頭プライスは状態の良いGT系で500万〜800万円前後、フルレストア済みの2000GT-TURBOや希少な2ドアハードトップでは1,000万円を突破する個体も珍しくありません。
このスカイラインジャパンの価格高騰理由には、明確な構造的要因が存在します。最大のトリガーは、北米をはじめとする海外マーケットでの「JDM(日本市場専用車)クラシック」に対する需要の爆発です。アメリカの「25年ルール」を疾走するようにクリアしたC210型は、直線基調の端正なスタイリングと直6FRレイアウトが再評価され、多くの優良個体が海を渡りました。
さらに、当時の厳しい排ガス規制による出力低下や、ボディの防錆技術の限界から廃車となった個体が多く、現在国内に残っている実動車は極めて限られています。「欲しい人間が増え続けているにもかかわらず、市場供給が完全に枯渇している」という需給バランスの崩壊が、相場の高止まりを支える決定打となっています。