「東京駅から一番速く行けるのは北陸新幹線ではないか」と考える旅行者は少なくありません。確かに、東京駅から軽井沢駅まで北陸新幹線「あさま」や「はくたか」を利用すると、わずか1時間05分〜1時間15分程度で長野県境を突破します。最高時速260kmで駆け抜ける新幹線のスピード感は圧倒的であり、東京から一瞬でリゾート地へワープする感覚を味わえます。
しかし、ここで見落としてはならない決定的な盲点が「軽井沢駅からのバス移動の過酷さと接続待ち時間」です。軽井沢駅から草津温泉までは、草軽交通または西武観光バスが運行する路線バスに乗り継ぐ必要がありますが、このバスの所要時間は約1時間15分〜1時間20分にも及びます。さらに、新幹線の到着時刻とバスの出発時刻が常にベストタイミングで噛み合っているとは限らず、駅での接続待ち時間が20分〜40分程度発生することも珍しくありません。
新幹線とバスの移動時間および乗り継ぎ時間を合計すると、実際のトータル所要時間は約2時間30分〜3時間となります。特急「草津・四万」を利用した場合の所要時間が約3時間〜3時間15分であることを考慮すると、新幹線経由で短縮できる時間は実質15分〜30分程度に過ぎないケースが大半です。
それに対して費用面の差は歴然としています。東京駅から軽井沢駅までの新幹線運賃・指定席料金(約6,020円/自由席は約5,490円)に加え、軽井沢駅から草津温泉までのバス運賃が片道2,240円〜2,260円発生します。合計すると片道約7,730円〜8,280円に達し、特急草津利用時と比較して約1,700円〜2,200円、トクだ値利用時と比較すると約3,500円以上も割高になります。
加えて、軽井沢から草津温泉へと抜ける道路は浅間山の麓を走る本格的な山岳ワインディングロードであり、カーブや高低差が連続します。車酔いしやすい体質の方にとっては、長時間の山道バス揺れが大きな体力的負担になりかねません。「軽井沢プリンスショッピングプラザでの買い物や旧軽井沢散策を旅程に組み込みたい」という明確な観光目的がある場合を除き、単なる移動効率の観点から新幹線経由を選ぶのは得策とは言えません。