キャベツやブロッコリーと同じアブラナ科に属する白菜は、生育過程や収穫後の環境変化に極めて敏感な野菜だ。葉の白い軸(葉柄部)に黒い胡麻を振りかけたような点々が現れる症状は、業界では「ゴマ症」と呼ばれている。見た目の異様さから病害虫の被害と誤解されがちだが、感染性の病原菌が付着しているわけではない。
この黒い点の正体は、植物の細胞内部で起きるストレス反応だ。白菜が成長する過程で何らかの環境ストレスを受けると、細胞膜が刺激され、内部で化学変化が起きる。その結果、特定の物質が細胞内に蓄積し、黒い微粒子となって表面から透けて見えるようになる。つまり、外から付着した汚れではなく、植物自身の内側から生じた構造変化なのだ。