加藤登紀子の代表曲として世界中で親しまれているのが、スタジオジブリの映画『紅の豚』のエンディングテーマ「時には昔の話を」である。宮崎駿監督が手がけた同作で、彼女はマダム・ジーナ役の声優と主題歌・挿入歌を担当した。
「時には昔の話を」は、かつて情熱を傾けて時代を駆け抜けた若者たちの孤独と愛惜を描いた名曲だ。全学連での経験や藤本敏夫と共に過ごした青春の日々を想起させるこの歌詞は、ノスタルジーを超えて、挫折を経てもなお生き続ける人間の尊厳を歌い上げている。スタジオジブリの美しい映像と共に流れる旋律は、彼女の半生そのものの投影と言えるだろう。