信用組合のルーツを辿ると、日本の近代資本主義の父とされる渋沢栄一の理念に行き着く。渋沢は、単に大企業を育成するだけでなく、道徳と経済を両立させ、草の根の事業者を支える相互扶助の仕組みを重んじた。この精神が昭和の時代を経て形となったのが、協同組合による金融事業に関する法律(いわゆる協法)である。
監督官庁である金融庁の指針のもと、信組は法制面でも銀行や信用金庫と明確に区別され、独自の枠組みで運営されている。地域ビジネスの崩壊を防ぎ、地場産業の血流を絶やさないための法的基盤がここにある。まさに現代の地域金融を根幹で支える法制上の知恵と言えるだろう。