第1話で描かれたシガンシナ区の惨劇。なぜマーレの戦士であるライナー(鎧の巨人)とベルトルト(超大型巨人)は、わざわざ最も外側の突出区であるシガンシナ区を破ったのか。その真の目的は、単なる人類の殲滅ではなく「始祖奪還作戦」の遂行でした。
壁の内部に潜入するためには混乱を引き起こす必要がありましたが、同時に彼らには超えてはならない決定的な一線がありました。それは、「壁内の王を極限まで追い詰め、地鳴らしを発動させてはならない」という恐怖です。
カール・フリッツ王が世界に残した遺言は、以下の通り絶対的な威嚇力を誇っていました。
「我らの平和を乱さば、壁の中の幾千万の巨人が、地上すべてのものを平らに踏み鳴らすであろう」
この世界破滅の軍事行動こそが「地鳴らし」です。地鳴らしを発動させるためには、極めて厳格かつ複雑な制約(発動条件)が課されていました。
- 条件1:「始祖の巨人」の能力を有していること(座標の掌握)。
- 条件2:「王家の血を引く人間」と接触すること(始祖の力を引き出すための鍵)。
- 条件3:「不戦の契り」の無効化(初代王の平和思想に支配されない自由意志の行使)。
エレン・イェーガーは王家の血を引いていませんでした。そのため、王家の血を引く異母兄ジーク・イェーガー(獣の巨人)と接触することで「道」へと到達。二千年間隷属し続けていた始祖ユミルに対し、「お前は奴隷じゃない、神でもない。ただの人だ。選ぶのはお前だ」と語りかけ、彼女の自我を解放したことで、ついに地鳴らしの封印が解かれました。
壁の硬質化が解かれた瞬間、ウォール・マリア、ローゼ、シーナを構成していた膨大な超大型巨人が一斉に前進を開始。壁は人々を守る殻から、世界を踏み潰す厄災の軍勢へと変貌を遂げたのです。