しかし、法律の条文上は「セーフ」であっても、現場の安全性という視点に立てば、この特例運用には背筋の凍るような物理的矛盾と生命リスクが隠されています。実際に子育て世代のドライバーから寄せられる生の声には、強い恐怖感が滲み出ています。
「急な用事で子供3人を後席に乗せたが、真ん中の子供にはシートベルトがなく、ブレーキを踏むたびに身体が前のめりになって生きた心地がしなかった」(30代・2児の母・静岡県在住)
最大の落とし穴は、軽自動車には座席ベルト(シートベルト)が前席2人分・後席2人分の計4名分しか設置されていない点です。道路交通法上、乗車定員の特例によってシートベルトの数を超える人数が乗車する場合、装着できない乗員については着用義務が免除される規定(道路交通法施行令第26条の3の2)が存在します。しかし、これは「罰則を受けない」というだけの話であり、「事故の際に安全が保証される」こととは何の関係もありません。
時速40kmで衝突した瞬間、シートベルト非着用の乗員の身体には体重の30倍以上の衝撃力がかかり、フロントガラスや前席シートへ激突します。車外放出のリスクも跳ね上がります。さらに、6歳未満の子供にはチャイルドシートの着用義務があります。軽自動車の後席幅(約1,200〜1,350mm前後)に一般的なチャイルドシートやジュニアシートを3台横並びで固定することは、物理的に不可能です。
なお、換算基準を見誤って1人でもオーバーした場合、道路交通法第57条違反として定員外乗車 違反点数 罰則が科されます。違反点数は1点、反則金は普通車・軽自動車ともに6,000円。万が一この過密乗車状態で事故を起こした場合、運転者の過失割合が重く算定され、搭乗者傷害保険の支払いで著しい不利益を被る法的リスクも否定できません。