この長年の混迷に明確な終止符が打たれたのは2019年のことである。教皇フランシスコの来日という歴史的イベントを機に、日本国政府外務省は公式な呼称を「法王」から「ローマ教皇」へと変更することを突如発表した。政府が単一の宗教指導者の呼称を改めるのは極めて異例であり、外交プロトコル上の大きな転換点となった。
この決定を受けて、NHKをはじめとする日本の主要報道機関も一斉にガイドラインを改定し、「ローマ教皇」への表記統一へと舵を切った。2026年現在の報道現場において「法王」の二文字を目にする機会は激減している。過去の文献や映画のタイトルなどを除き、現在の公的文書やニュース記事では「教皇」が完全なデファクトスタンダードとして確立されているのが現実だ。