Q1:外患誘致罪で逮捕・起訴された人は過去に本当に一人もいないのですか?
A1:はい。明治40年に現行刑法が制定されて以降、現在に至るまで外患誘致罪で逮捕、起訴、あるいは有罪判決を受けた人物は歴史上ゼロです。太平洋戦争中や終戦直後の混乱期、また冷戦期の重大スパイ事件においても、この条文が適用された事例はありません。
Q2:一般市民が特定の人物を外患誘致罪で告発することは可能ですか?
A2:刑事訴訟法上、誰でも犯罪と思料する事実を告発する権利自体はあります。しかし、外患誘致罪の要件(外国政府と通謀して武力行使をさせた事実)を客観的証拠に基づいて提示できない限り、捜査機関に不受理とされます。根拠のない告発は虚偽告訴罪や名誉毀損による損害賠償責任を負う重大な違法行為となります。
Q3:外国からのサイバー攻撃や経済的な対抗措置を手引きした場合も外患誘致罪になりますか?
A3:原則として該当しません。刑法81条の「武力行使」は、国際法上の武力攻撃(軍事力を用いた物理的破壊や戦闘行為)を意味します。大規模サイバー攻撃が重要インフラを物理的に破壊し国家存立を脅かすような極限的ケースにおける解釈議論は一部でなされていますが、現状の実務解釈において経済制裁や情報戦への加担が本罪に該当することはありません。
Q4:外患誘致罪で有罪判決を受けた場合、本当に絶対に死刑になるのですか?
A4:法定刑そのものは「死刑」単一ですが、刑法総則のルールが適用されます。心神耗弱による必要的減軽、自首による任意的減軽、あるいは未遂減軽や情状酌量による「酌量減軽」が行われた場合、法律の規定に基づき「無期懲役」または「10年以上30年以下の懲役」へと減刑される司法判断の枠組みは残されています。