番組のもう一つの大きな魅力は、スタジオで聞き手を務めた俳優・演出家の芥川比呂志との洗練された対話にあった。現地で自ら撮影・取材してきた兼高かおるが持ち帰る貴重な映像を見ながら、二人が交わすやり取りは実に洒脱で、視聴者を知的で優雅な世界へと引き込んだ。
TBSテレビ系列で長年親しまれたこのプログラムは、過度な演出や大げさなテロップを削ぎ落とした、映像と言葉のクオリティで勝負するスタイルを貫いた。芥川比呂志の鋭くも温かい問いかけに対し、現場の生の空気感を鮮やかに語り返すスタイルは、日本の放送業界において「紀行番組」というジャンルを一つの完成形へと高めた。