本作を一見しただけでは「下品で不条理なドタバタギャグ」と片付けられがちですが、それは表層的な見方に過ぎません。脚本を手掛けた松原秀氏をはじめとする制作陣は、古典落語やシチュエーション・コメディの緻密な構造を随所に組み込んでいます。
赤塚不二夫氏の原作が持っていた「ナンセンスの本質」を現代の会話劇に翻訳し、徹底したテンポの計算と間の取り方によって笑いを生み出しています。また、彼らが「ニートであること」を選択している背景には、現代社会のレールから意図的に降りることでしか保てない兄弟の小宇宙が存在しており、ただの怠惰ではなく一種の寓話(アレゴリー)として機能している点は見逃せません。