人間を食べる異形の存在という衝撃的な設定は、どこから生まれたのか。諫山創氏本人がメディアのインタビューで明かした有名なエピソードがあります。それは、デビュー前に東京都内のネットカフェでアルバイトをしていた際に遭遇した泥酔客とのトラブルでした。
胸ぐらを掴まれた際、どれだけ言葉を尽くしても一切通じず、本能的な恐怖を覚えたという諫山氏。「同じ人間であるにもかかわらず、コミュニケーションが完全に断絶している存在」に対する強烈な違和感と戦慄こそが、巨人の原初的なインスピレーションとなりました。
また、巨人の肉体描写や格闘シーンには総合格闘技の選手が実在のモデルとして採用されています。主人公エレンの巨人態は元UFCファイターの岡見勇信選手、鎧の巨人は元WWE・UFC王者のブロック・レスナー選手らの筋骨隆々とした体躯やファイティングスタイルが反映されており、生物としての説得力を底上げしています。