韓国ドラマの学園もので描かれるいじめは、日本の作品で見られる陰湿な嫌がらせのレベルを遥かに超え、時に傷害事件や犯罪そのものとして描かれます。視聴者に強烈な衝撃を与えるこの過激な描写には、韓国で「校暴(ハクポク)」と呼ばれる校内暴力の深刻な社会問題がダイレクトに影響しています。
韓国では芸能人やスポーツ選手、さらには高官の親族などが過去の校内暴力を告発され、一瞬にしてキャリアを失う事態が日常的に報じられています。学生時代の暴力が被害者の人生をどれほど長く壊し続けるかという問題意識が社会全体に共有されており、ドラマ制作陣も「生半可なオブラートに包んだ描写ではリアリティを持たない」という強いジャーナリズム精神とリアリズムをもって映像化しているのです。
さらに背景にあるのが、韓国特有の過酷な受験競争と経済格差です。親の財力や権力によって子どものスクールカーストが決まり、学校側も権力者側の不正を見て見ぬふりをするという構図は、現代韓国の階級社会に対する痛烈な風刺でもあります。学園いじめを単なる生徒間のトラブルではなく「社会の縮図・構造的不正義」として描くからこそ、ドラマは圧倒的な熱量と切迫感を帯びる結果となっています。