視聴者を惹きつけて離さなかった最大の要因は、木村拓哉さんと山口智子さんの絶妙な関係性と、予定調和を感じさせないリアルな芝居です。婚約破棄された年上の落ちぶれモデルと、夢に挫折しかけている内気な若きピアニスト。2人が隅田川沿いのアパート「瀬名マン」で繰り広げるテンポの良い掛け合いは、アドリブが随所に散りばめられていました。
ファンの間で語り草となっているのが、3階の部屋から投げ落としたスーパーボールを地上でキャッチする名シーンです。CGや合成が発達していなかった当時、このテイクは木村拓哉さんの驚異的な集中力により、なんと一発(ファーストテイク)で成功。スタッフ全員が息を呑み、奇跡的なテイクに現場が歓喜で震えたという裏話はあまりにも有名です。
また、最終回のボストン留学を前にした名セリフのやりとりや、ラストシーンの情感あふれるロングキスも、互いへの深いリスペクトと信頼関係があったからこそ生まれた名場面として、30年近く経った今も色褪せることがありません。