貝類の旨味の核となる成分、それが「コハク酸」だ。はまぐりにはこの有機酸が豊富に含まれており、特有の深みとコクを作り出している。加熱によって出汁へと滲み出たコハク酸は、アルコール分と一緒に揮発することなく鍋の中に凝縮される。
ここに良質な日本酒を加えることで、驚くべき相乗効果が生まれる。日本酒に含まれるグルタミン酸と、はまぐりのコハク酸が絡み合い、旨味の強さは単体の場合の何倍にも跳ね上がる。使用する酒は純米酒がベストだ。醸造アルコールの邪魔がない分、米のふくよかな香りが貝の甘みを最高潮へと押し上げてくれる。