飲食店選びの定番である「ネットの口コミスコア」ですが、クラフトビールにおいては評価の高さを過信すると痛い目を見る構造的リスクが潜んでいます。一般的なグルメサイトの星の数は「料理のボリューム」「映える内装」「コストパフォーマンス」に引っ張られやすく、ビールの致命的な命綱である「サーバー管理の質」を反映していないケースが多いからです。
ビールサーバーの内部を通るホースやタップは、毎日水通し洗浄を行い、定期的に専用洗剤でビールストーン(麦汁カスや酵母の沈着)を除去しなければ、瞬く間に雑菌が繁殖します。管理がずさんな店舗では、せっかくの銘酒が「金属臭い」「不自然な酸味が混じる」「泡立ちが粗くガスが抜けている」という無残な状態で提供されてしまいます。外観がおしゃれな居酒屋であっても、生樽の回転率が低く開栓から数週間放置されたビールを出されて失望したという声は後を絶ちません。
また、クラフトビールテイクアウト量り売りに関する誤解も根深く残っています。「どんな水筒でも持ち帰れる」と思い込み、一般的な保温ボトルを持参して断られるトラブルが後を絶ちません。ビールには炭酸ガスが含まれるため、内圧を逃す安全弁のない容器に密閉すると破裂の危険があります。量り売りを利用する際は、必ず炭酸飲料対応の「ビール専用グラウラー」を持参するか、店舗が用意する専用プラカップやクラウラー(専用缶詰機)を利用するのが大原則です。