店のルーツを辿ると、沖縄県金武町で地元労働者の胃袋を支え続けた小さな賄い処に行き着く。創業当時は、限られた食材でいかに安く、お腹いっぱいの料理を提供できるかが勝負だった。試行錯誤の末に生み出された濃厚な豚骨ベースのだしと特製ダレは、瞬く間に地域住民の心と胃袋を掴むことになる。
やがて事業は拡大し、組織として法人化を果たした株式会社石川食堂。しかし、規模が大きくなろうとも「地域の居場所であり続ける」という原点の理念がぶれることはなかった。飾らない暖簾を守り抜き、伝統の製法を愚直に引き継ぐ姿勢こそが、半世紀近くにわたり愛され続ける最大の理由である。