ヒノヤの創業は、終戦直後の混乱期にまで遡る。米軍の払い下げ品やミリタリーウェアが露店に並んでいた時代、上野アメ横は日本におけるアメリカンカルチャーの最大の受入港だった。その熱気の中で産声を上げたヒノヤは、単に海外の真似事をするのではなく、日本人の体型や美意識に合ったジーンズを厳選し、提供し続けてきた。
狭小な店内に足を踏み入れると、天井に届きそうなほどぎっしりと並べられたジーンズの棚に圧倒される。「ウエアハウス」「シュガーケーン」「バズリクソンズ」「ステュディオ・ダ・ルチザン」など、日本のジーンズ史を創り上げてきた名だたるセレクトブランドが所狭しと並ぶ。どのプロダクトにも独自のストーリーがあり、それを熟知したスタッフが客一人ひとりの好みに合わせて最適な一本を提案するスタイルは、半世紀前と何一つ変わっていない。