陽が完全に落ちると、公園は昼間とは全く異なる神秘的な姿を現す。春から初夏にかけての限られた時期、森の深部で見られる「ヤエヤマヒメボタル」の鑑賞ルートは、一生に一度は体験すべき奇跡の光景だ。
体長わずか数ミリの日本最小級のホタルが放つ光は、点滅周期が速く、まるで森全体が光のイルミネーションに包まれたかのような幻想的な空間を作り出す。日没後のわずか数十分間だけ繰り広げられるこの光の宴を求めて、全国からネイチャーツアーの参加者が訪れる。
光に非常に敏感なホタルを守るため、鑑賞の際は赤色ライトの使用や懐中電灯の消灯、フラッシュ撮影の禁止といった厳格なマナーが求められる。暗闇の中に浮かび上がる無数の光の点滅は、人工物では決して再現できない自然の神秘そのものだ。