しかし、単なる吸入効果だけでは説明がつかないケースもある。近年の神経科学の研究では、足の裏への刺激そのものが自律神経に影響を与えている可能性が議論されている。足の裏には無数の感覚神経が集中しており、ここにメントールのような強い刺激を与えることで、脳への「咳をしろ」という信号の伝達が一時的にブロックされるという仮説だ。
これは痛みを別の刺激で紛らわせる「ゲートコントロール理論」に似ている。冷感刺激が神経を占有し、気道の過敏な反応を一時的に和らげているのかもしれない。科学的な実証には至っていないものの、この神経学的なアプローチは、多くの人が体験する「即効性」を説明する新たな手がかりとして注目されている。