近年のグローバルなフレグランス産業において、金木犀は「オスマンサス(Osmanthus)」の名で世界的なブレイクを果たしている。かつてはどこかノスタルジックな「昭和の庭木」というイメージも強かったが、2026年現在の香水市場では、最もモダンで洗練されたオリエンタルノートとして再評価されているのだ。
日本のコスメ大手を牽引する資生堂をはじめ、パリやロンドンの老舗メゾンもこぞって金木犀を主役に据えた新作フレグランスを発表している。従来の合成香料による重たい甘さではなく、天然精油に近い透き通ったトップノートと、レザーや紅茶のような深みのあるラストノートを組み合わせる手法が主流だ。秋限定のプロモーションにとどまらず、年間を通じて愛用できるプレミアム香水としてのポジションを確立している。