最も多くの人が不安を抱くのが、「つむじが2つあると将来薄毛になりやすいのではないか」という疑問だ。結論から言えば、つむじの数そのものが男性型脱毛症(AGA)やヘアサイクルの乱れを直接引き起こす原因になることはない。過去に放送され反響を呼んだ『NHKスペシャル 人体』シリーズなどでも科学的に解明されてきた通り、毛髪の脱落や薄毛化を主導するのはジヒドロテストステロン(DHT)などのホルモン物質や頭皮の毛細血管網の衰えであり、皮膚表面の毛流の数とは次元が異なる。
それにもかかわらず「ハゲやすい」という噂が絶えないのは、物理的な見え方に原因がある。つむじが2つあると、それぞれの渦から髪が逆方向に引っ張られるため、どうしても頭頂部に髪が薄く見える「割れ目」ができやすい。特に光の当たり具合によっては地肌が広範囲に透けて見えてしまい、鏡を見た本人が「薄毛が進行している」と勘違いしてしまうのだ。つまり、毛量が実際に減っているのではなく、単に髪の毛が左右に分かれる構造上の影が薄毛に見せかけているケースが大半である。