外食チェーンのトップといえば、エリート出身の経営プロフェッショナルが就任するイメージが根強い。しかし、株式会社壱番屋の歴史はそうしたステレオタイプを真っ向から否定する。特筆すべきは、15歳で高校生のアルバイトとして店舗の厨房に立ち、わずか22歳の若さで加盟店運営会社の社長へと抜擢された諸沢莉乃氏の存在だ。注文を取り、皿を洗い、現場の痛みを誰よりも知る人物が組織の頂点に立つ姿は、多くの人々に強烈なインパクトを与えた。
この「バイト叩き上げ」のDNAは、現社長の葛原守氏にも色濃く流れている。葛原氏自身も店舗勤務からキャリアをスタートさせ、現場の最前線で培った感覚を研ぎ澄ませながら社内階段を駆け上がってきた。学歴や派閥に頼らず、現場での実績と人徳のみで評価される実力主義。それこそが、同社を支える最大のエネルギー源だ。