和製英語としてすっかり定着したコストパフォーマンスという言葉は、本来ビジネスや経済の現場で「投入した費用に対する効果や成果」の比率、すなわち費用対効果を表す指標である。決して「絶対的な価格の低さ」を意味するものではなかった。
現代マーケティングの第一人者であるフィリップ・コトラーが説く「顧客知覚価値」の概念を紐解けば、消費者が感じる価値とは「得られる便益」から「払うべきコスト(金銭・時間・手間)」を引いた残差にほかならない。価格の安さだけに固執する消費モデルが限界を迎え、得られる感動や生活の質の向上といった「質的リターン」を含めた総合的な評価が、選択の軸となっている。