なら燈花会における最大のハイライトといえるのが、水面に映し出される幻想的な景観だ。特に鷺池に佇む浮見堂の周辺は、水面に揺らめく灯火の水鏡と周囲の木々が溶け合い、息をのむ美しさを誇る。静寂のなかに浮かび上がる堂の姿は、忘れがたい記憶として心に残るはずだ。
浮見堂から静けさが漂う森林を抜け、世界遺産である古都奈良の文化財の構成資産、春日大社へと向かう道すがらにも灯りの回廊が続く。古来より大切に保護されてきた原生林の静寂と、現代のライトアップ技術、そして揺らぐキャンドルの光が重なり合い、時空を超えた不思議な一体感を生み出している。