破壊的イノベーションの侵入経路には、明確に異なる2つのアプローチが存在します。
第一のパターンは「ローエンド型破壊」です。既存製品が高性能化しすぎた結果、一般的なユーザーにとって機能過剰(オーバーシュート)となり、価格が見合わなくなる現象から生じます。新興企業は、不要な機能を削ぎ落とした「必要十分で安価な製品」を投入し、割高な価格に不満を持っていた低価格志向の顧客層を一気に獲得します。格安スマートフォンやファストファッションの台頭がこの好例です。
第二のパターンは「新市場型破壊」です。これまでの製品が高価すぎたり扱いが難しかったりして、そもそも購入・利用できなかった「非消費者」をターゲットにします。初期のパーソナルコンピュータが大型メインフレームを駆逐した事例や、スマートフォンによる手軽な写真撮影がコンパクトデジタルカメラ市場を代替した事例がこれに該当します。これまで存在しなかったまったく新しい利用体験を提供することで、巨大な新市場を創出します。