長引く物価高や人手不足の波を受け、日本の外食産業は今、歴史的な転換期を迎えている。単に料理を提供するだけの従来型店舗は淘汰され、明確な目的意識を持った顧客を引き寄せるエッジの効いたコンセプト店が隆盛を極める。なかでも「静寂とプライバシー」を売りにする個室居酒屋の進化は目覚ましく、防音壁を備えた洗練された個室や、専用サーバーを完備した贅沢な部屋まで登場した。
一方で、飲み放題というシステムの質の変化も無視できない。かつての粗悪な酒を安く提供するイメージは過去のものとなり、現在ではクラフトビールや希少な国産ウイスキーをラインナップに加えたプレミアムな飲酒体験が主流を占める。多様化するユーザーニーズに応えるべく、外食空間そのものがアップデートを重ねている。