一度は過去の遺物として忘れ去られかけたファンシーカルチャーですが、現在その評価は劇的な転換点を迎えています。フリマアプリやオークションサイト、ヴィンテージトイショップにおいて、昭和ファンシーの現在の価値は右肩上がりの高騰を見せています。当時数十円から数百円で購入できた紙モノ(メモ帳やシール)、未開封のカンペンケース、企業ノベルティなどは数千円から数万円で取引されるケースも珍しくありません。当時の現存数が少なく、実用品として使い切られて残存率が低いこと自体が、コレクターズアイテムとしての希少性を押し上げています。
SNSを中心とした80年代ファンシーのネットの反応を見ても、その熱量は衰える気配がありません。当時をリアルタイムで知る世代からは「見ているだけで胸が締め付けられるほど懐かしい」「あの甘い匂いを思い出す」といったノスタルジックな共感が寄せられる一方、当時を知らない10代〜20代の若年層からは「色使いが新しくてエモい」「デジタルの無機質さにはない温かみがある」と、最先端のデザインとして受容されています。この80年代レトロカルチャーの再燃を受け、文具メーカー各社が当時のデザインを完全復刻したステーショナリーを発売したり、大手百貨店でポップアップイベントが開催されたりと、商業的な再評価も完全に定着しています。