ネット上で定着した「カイエン乗りてぇ」というフレーズの源流は、斎藤佑樹氏が早稲田大学を卒業し、北海道日本ハムファイターズへドラフト1位で入団した直後の2011年早春に遡ります。
出処となったのは、女性ファッション誌『GINGER』(幻冬舎・2011年2月号)に掲載されたインタビュー企画です。当時、ドラフトの目玉として社会現象を巻き起こしていた斎藤氏は、同誌の取材に対して将来の夢や理想のライフスタイルを率直に語りました。その中で語られた「どのような車に乗りたいか」「将来どのような暮らしをしたいか」という質問に対する回答が、のちに巨大なミームへと発展することになります。
当時の誌面で斎藤氏が語った本来の趣旨は、以下のような爽やかでポジティブな内容でした。
「いま一番欲しいのはポルシェのカイエン」「青山に土地を買って家を建てたい」
プロ野球のトップ選手を目指す若きアスリートとして、成功の証である高級SUVや都心の一等地に居を構える夢を語ることは、プロスポーツの世界ではごく自然な抱負でした。しかし、この前向きな発言がインターネットの文脈に持ち込まれたことで、予期せぬ化学反応を引き起こすことになります。