「なぜ国民的関心事である日本代表戦を地上波で放送できないのか」というファンの怒りと落胆の声は、アウェイ戦を迎えるたびにSNS上を席巻します。その根底に横たわっているのが、サッカー日本代表の放映権高騰の真相です。
アジア地区の予選を管轄するAFC(アジアサッカー連盟)は、中東や欧州のスポーツビジネスファンドと手を組み、放映権の長期包括パッケージ化を断行しました。かつてのように「日本戦1試合ごとの買い取り」は認められず、大会全体の膨大な試合数とセットで数百億円規模の巨額契約を結ばなければ中継権を取得できない仕組みへと転換したのです。
民放各局にとって、広告収入が頭打ちとなる状況下で1試合数億円から数十億円規模とも試算されるコストを支払うことは、採算面で完全に限界を超えています。巨額の赤字を背負ってまで地上波生放送を維持する体力はもはや民放には残されておらず、グローバルな資本力を持つ有料動画配信サービスであるDAZNによるサッカー日本代表の独占配信へと権利が移行したのが、地上波消滅の残酷な経済的実態です。