なぜ僧侶はミイラになったのか?即身仏の過酷な修行と山形寺院の真相

なぜ僧侶はミイラになったのか?即身仏の過酷な修行と山形寺院の真相

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日本全国に現存が確認されている即身仏は約18体ですが、そのうち8体が山形県の寺院に集中しています。出羽三山信仰の中心地であった庄内・置賜地方では、今も大切に守り継がれる即身仏を間近で拝観することが可能です。ここでは、即身仏の現在拝観が可能な代表的寺院と、歴史に名を残す名僧の背景を紹介します。

1. 湯殿山総本寺 瀧水寺大日坊(鶴岡市大網)|鉄竜海上人

弘法大師空海が開山したと伝わる名刹で、大日坊の鉄竜海上人(てつりゅうかいしょうにん)が安置されています。鉄竜海上人は、後述する明治政府の禁止令が出された後も信仰を貫き、自らの信念に従って入定を遂げた伝説的な高僧です。大日坊では、上人が着用していた衣を裁断した「お守り」が授与されており、厄除けや病気平癒の信仰を集めています。

2. 湯殿山 注連寺(鶴岡市大網)|鉄門海上人

森敦の小説『月山』の舞台としても知られる注連寺の鉄門海上人(てつもんかいしょうにん)は、波乱万丈の生涯で知られます。若き日の過ちを悔いて出家し、江戸で眼病が流行した際には「自らの左眼をくり抜いて隅田川の竜神に捧げ、疫病退散を祈願した」という壮絶な逸話を持ちます。さらに難所であった加茂坂隧道の開削工事を私財と勧進で成し遂げるなど、民衆のための公共事業にも尽力した社会事業家でもありました。

3. 砂高山 海向寺(酒田市日吉町)|忠海上人・円明海上人

港町・酒田市に位置する海向寺の即身仏は、日本で唯一「一寺に2体の即身仏」が並んで祀られている極めて貴重な寺院です。初代の忠海上人(1755年入定)と、その意志を継いだ円明海上人(1822年入定)が同じ本堂に安置されており、庄内の町と日本海を行き交う船の安全を今も見守り続けています。

4. 本明寺(鶴岡市東岩本)|本明海上人

1683年に入定した本明海上人は、出羽三山系の即身仏として現存最古とされています。武士の身分を捨てて出家し、千日間の木食行と断食を経て土中入定を果たしました。山形県指定有形民俗文化財にも指定されており、江戸時代前期の厳格な入定作法を今に伝えています。

清水 千尋
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清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。