動画共有サイトやDIYブログを中心に定期的な流行を見せるのが、安価なクーラーボックスを解体してアルミ遮熱シートを貼ったり、隙間に発泡ウレタンスプレーを充填したりする「クーラーボックスの改造カスタム」です。一部のネット上では「ナフコのボックスを改造すれば最強のクーラーが自作できる」という言説も見受けられます。
しかし、現代の製品構造を冷静に分析すると、ナフコ クーラーボックスの改造には大きな誤解とリスクが存在します。第一に、近年のナフコ製高断熱モデルはすでに工場ラインで高圧注入されたウレタンフォームが緻密に充填されており、ユーザーが手を加える余地はほとんど残されていません。無理に外殻に穴を開けて市販の発泡ウレタンを注入すると、内部圧力の不均衡によって外壁が波打ち変形したり、最悪の場合は気密パッキンの噛み合わせを狂わせて保冷力を低下させる結果を招きます。
さらに見過ごせないのが、メーカー保証および安全性の喪失です。改造を加えた製品は初期不良のサポート対象外となるだけでなく、ヒンジや留め具の破損リスクを高めます。保冷力を底上げしたいのであれば、危険な不可逆改造に手を出すのではなく、「底面にアルミマットを敷いて地面の地熱を遮断する」「高性能保冷剤を上部に配置して冷気下降を利用する」「開閉時間を最小限に抑えるインナーカバーを導入する」といった運用の工夫こそが、最も安全で効果的なアプローチです。