ここ数年、日本のSNSや若者文化の間では、何事にも冷めた態度を取る「冷笑主義」が急速に衰退しつつある。代わりに台頭してきたのが、不器用でも手を動かし、泥にまみれて何かを作り出す「ネオ・リアリズム」とも呼ぶべき潮流だ。
「タイパ(タイムパフォーマンス)」や「コスパ」を追い求めた結果、人々が行き着いたのは、中身のない空虚な日常だった。その反動として、時間と労力を惜しみなく注ぎ込む「努力」の価値が再評価されている。スマートに生きることが美徳とされた時代は終わり、泥臭くあがいた先にある未来こそが美しいという価値観が、今、社会全体に広がりを見せている。