ふたりの結婚は1983年(昭和58年)のことでした。当時、麻生太郎氏は42歳、千賀子夫人は32歳。政治家の初婚としては比較的遅い部類に入ります。きっかけは政界関係者を交えた食事会・お見合いの場でしたが、関係者の回想録によると、麻生氏が千賀子夫人の凛とした立ち居振る舞いと穏やかな知性に強く惹かれ、猛アタックをかけたと言われています。
千賀子夫人の経歴で特に世間の注目を集めたのが、大手建設コンサルタント「パシフィックコンサルタンツ」を傘下に持つ持株会社の社外取締役に就任していた事実です。政治家の配偶者が上場規模の企業で社外取締役を務める事例は極めて珍しく、当時は一部メディアで利益相反の懸念などが取り沙汰されました。しかし、法的な独立性と透明性が保たれていたこと、そして夫人が名門家政学の出自にとどまらず、社会基盤や企業経営に対して高い理解力を備えていたことの証左とも言えます。
家庭内においては、一男一女の母として教育にも尽力しました。長男の麻生将豊(まさひろ)氏は日本青年会議所(JC)会頭を経て麻生グループの要職を務めており、長女の彩子氏は東京大学文学部を卒業後に国際的なキャリアを歩んでいます。子どもたちを決して甘やかすことなく、自立したプロフェッショナルとして育て上げた手腕も高く評価されています。