質の高い睡眠を得るための鍵を握っているのが、脳や内臓など体の中心部の温度である「深部体温」です。体内時計のリズムに従い、夜になると深部体温は自然と下がっていきます。この深部体温と熱放散のメカニズムこそが、スムーズな入眠を生み出す根幹です。
眠気が近づくと自律神経のうち副交感神経が優位になり、手足の末梢血管が拡張します。血液を手足に多く集めて外気へ熱を逃がす「熱放散」が行われることで、深部体温が一気に下がり、脳が急速に休息モードへと切り替わります。赤ちゃんが眠くなると手足がぽかぽか温かくなるのは、まさにこの放熱が起きている証拠です。
もし靴下でつま先を密封してしまうと、熱の逃げ場が失われ、深部体温がスムーズに下がりません。その結果、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなって夜中に目が覚めたりと、睡眠の質と自律神経の乱れに直結します。翌朝起きたときの強い倦怠感やだるさも、放熱不全が引き金になっていることが多々あります。