電気こたつによる火災は、機器そのものの欠陥よりも、利用者の誤った使用方法やメンテナンス不足によって引き起こされるケースが大半を占めています。特に注意すべき典型的な発火パターンと、無意識に行われがちなNG行動の背景には明確な物理現象が存在します。
第一の危険要因は、こたつ布団や座布団のヒーター接触です。こたつ内部に潜り込んだり、出入りする際に布団を内側に押し込んだりすると、ヒーターユニットの保護網に布団が直接触れ続けます。こたつのヒーターは表面温度が200℃〜300℃近くに達するため、接触した綿や化学繊維がじわじわと加熱されて炭化し、無煙燃焼(くん焼)状態を経て一気に火の手が上がります。
第二に挙げられるのが、こたつ内部での洗濯物乾燥です。「早く乾かしたい」「外に干せない」という理由で衣類やタオルをこたつの中に放り込む行為は極めて危険です。乾いた洗濯物がヒーターユニットを塞ぐと、内部の熱が逃げ場を失って異常過熱を起こし、衣類の繊維が発火点に達します。
さらに見過ごせないのが、こたつ電源コードの断線によるショート火災です。こたつの脚でコードを踏みつけたり、重い家具の下敷きにしたり、シーズンオフにコードを本体にきつく巻き付けたまま保管したりすることで、内部の銅線が半断線状態に陥ります。通電時に半断線部分へ過度な電流が集中すると、火花(アーク放電)が発生し、周囲のホコリや可燃物に引火するのです。