後藤がカンボジアで得た最高爵位「オクニャ」。これは国家に多大な貢献をした者に与えられる称号であり、実質的な特権階級へのパスポートだ。現地の有力政治家や軍高官との緊密な関係は、彼が日本からの追及を免れるための最強の盾となった。
日本政府や警察庁も、彼の動向を完全に無視しているわけではない。しかし、主権国家であるカンボジアの壁は厚く、政治的配慮も絡むため、手出しができないのが実情だ。バブル期に日本国内で吸い上げられた巨額の闇資金は、プノンペンの高層ビル群やリゾート開発へと姿を変え、現地経済の一部として完全に同化している。