高木ブーさんと妻の喜代子(きよこ)さんが出会ったのは、ドリフターズ加入前の1960年代初頭、ジャズ喫茶やダンスホールでプロのバンドマンとして腕を磨いていた青年時代でした。当時、音楽への情熱を燃やしつつも将来の保証など何一つなかったブーさんに対し、喜代子さんはその実直な人柄と才能を信じ、献身的に寄り添ったといいます。
二人は1962年に結婚。結婚当初の暮らしは決して裕福ではなく、風呂なしのアパートで爪に火をともすような極貧生活でした。しかし、喜代子さんは愚痴ひとつこぼさず、家計を切り詰めながら夫の音楽活動を全力で後押ししました。後にいかりや長介さんに誘われドリフターズへ加入した際も、「あなたのやりたいようにやってみて」と背中を押したのが喜代子さんでした。
やがて『8時だョ!全員集合』の大ヒットで国民的スターへと駆け上がった後も、喜代子さんは決して表舞台に出ることなく、家庭をがっちりと守る良妻賢母であり続けました。ブーさんが仕事でどれほど多忙を極めても、家庭内は常に温かく穏やかで、彼にとって唯一無二の安らぎの場所だったのです。