当時のスタジオは、まさに戦場だった。ピースの吉村崇と綾部祐二、ハライチの岩井勇気と澤部佑、モンスターエンジンら、同世代の実力派がひしめく中で、誰が一番笑いをもぎ取るかという剥き出しの競争。全員が若く、貪欲で、失うものが何一つなかった。
体当たりのリアクション芸から緻密なシチュエーション芝居まで、要求されるハードルは毎週のように上がっていった。渡辺直美は男性芸人たちが繰り広げる激しい掛け合いの渦中に躊躇なく飛び込み、時に強烈なアドリブで相手を呑み込んだ。吉村崇の破天荒なアプローチを受け止め、綾部祐二のツッコミを跳ね返し、ハライチのテンポ感と共鳴する。この過酷なアンサンブルの中で培われた間合いの感覚と瞬発力は、彼女のコメディアンとしての骨格を強固に作り上げた。