かつての化学系催涙ガス(CN・CS)は、酒に酔った人物や麻薬・薬物の影響下にある人物、あるいは過度な興奮状態にある暴漢に対して「痛覚が麻痺していて効果が薄い」とされる事例が少なからず存在した。
しかし、高濃度のOC成分を使用した最新の防犯スプレーは、痛覚神経への直接的な刺激だけでなく、強い組織炎症を引き起こす。どんなに痛みを無視しようとしても、眼瞼(まぶた)の痙攣反応によって物理的に目を開けることができなくなる。体格差や腕力、相手の精神状態を問わず、一瞬で行動不能へ追い込む生理的な再現性の高さこそが、世界各国の警察機関で標準装備とされている最大の根拠である。