近年の化粧品産業における研究開発競争は凄まじい。資生堂や花王といった国内大手研究所がしのぎを削り、耐水性・耐皮脂性に優れた皮膜形成剤を開発した結果、泣いても擦っても滲まないウォータープルーフ処方が標準仕様となった。朝引いたラインが夜まで一切崩れない。消費者にとってこの上ない利便性だが、裏を返せば「通常の洗顔料ではビクともしない強固な化学皮膜」が目元に張り付いていることを意味する。
崩れにくいアイメイクを落とすため、洗浄力の強いオイルで力任せに擦る。この毎晩の摩擦こそが、目の周りのバリア機能を破壊する主因だ。皮脂腺が極めて少なく乾燥しやすい目元は、わずかな物理的刺激の蓄積でメラニンが過剰生成され、頑固な茶くすみへと直結する。