トヨタが再び納税企業へと復権した際、当時社長を務めていた豊田章男氏(現会長)が残した言葉は、経済界で広く知られています。リーマン・ショック直後の就任から赤字転落、米議会公聴会での証言など幾多の試練を乗り越えた同氏は、決算記者会見の場で「企業にとって納税ができることの意義」について感情を込めて言及しました。
豊田氏は、単体法人税を納められなかった5年間を振り返り、「利益を出して税金を納めることができて初めて、社会の一員として認められる。税金を払えない時期は本当に悔しく、申し訳ない思いでいっぱいだった」という趣旨の胸中を吐露しています。大企業が利益を創出し、正規のルールに則って納税を果たすことが最大の社会貢献であるというトップの強い信念が、その後の筋肉質な経営体質への転換と巨額納税の継続へとつながっています。